可児市議会 2021-09-28
令和3年第5回定例会(第4日) 本文 開催日:2021-09-28
5:
◯予算決算委員長(
伊藤 壽君) それでは、予算決算委員会の審査結果の報告をいたします。
今期
定例会において、当委員会に審査を付託された案件は、令和2年度各会計決算認定が15件、令和3年度各会計補正予算が5件、令和2年度可児市水道事業会計及び下水道事業会計の未処分利益剰余金の処分についての計22件を6日間の委員会と3日間の分科会を開催し審査を行いました。
去る8月23日、24日及び25日に執行部からの決算説明及び前監査委員の川合敏己委員より決算審査意見書についての説明を受け、委員の共通認識を深めました。
続いて9月7日と8日に所管ごとの各決算事業について種々の質疑を行いました。
質疑に続いて、可児市議会として令和2年度決算審査の結果を令和4年度の予算編成に生かすため、自由討議を行いました。
そして、9月15日に討論と採決を行いました。
初めに、認定第1号 令和2年度可児市一般会計歳入歳出決算認定について討論に付したところ、マイナンバーカードのコンビニエンスストアでの利用や、健康保険証代わりに使える施設が少ないこと、美濃桃山陶の聖地のエントランス施設としての郷土歴史館の早期整備、GIGAスクール構想における教師の負担増については改善を求める。
また、リニア中央新幹線建設は、久々利大萱地区を地上走行することで美濃焼の聖地としての本市の計画に悪影響を与えており、掘削残土搬出先と盛土の安全対策、要対策土処分などの問題が山積みの中で、リニア建設促進期成同盟会分担金などを負担している。電源立地地域対策交付金に含まれる超深地層
研究所分については、負の遺産として核のごみ処分問題が解決していない現状では、拒否すべきものである。下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法に基づくグランドルール代替業務の随意契約での提供は公平性を欠いている。以上の点から、反対との意見。
令和2年度は、国の事業とも連携を図りながら、9回の補正予算を編成し、迅速に新型コロナウイルス感染拡大防止や地域経済の回復への取組が進められた。さらに、こうした状況の中、市政経営計画の初年度を迎えたが、最重点施策の企業誘致の取組である可児御嵩インターチェンジ工業団地開発事業では、順調に用地を取得し、計画どおりに事業を進めることができている。
また、もう一つの最重点施策である観光振興では、新型コロナウイルスの影響を大きく受けることになったが、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」を生かして、明智光秀博覧会には34万5,930人の来場者があり、明智光秀生誕の地可児、明智光秀のふるさと可児として可児市の知名度を上げ、市の魅力が発信できたと考える。
以上、新型コロナウイルス感染症対策経費の増大と税収等歳入の減少等、厳しい財政状況の中であっても、市政経営計画に基づく各種事業を着実に進め、市政発展につなげられたので賛成との意見。
採決の結果、適正な執行と認め、賛成多数で原案を認定すべきものと決定いたしました。
次に、認定第3号 令和2年度可児市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算認定について討論に付したところ、後期高齢者医療保険料は引上げが続き高止まりした状態であり、大きな負担となっている。また、病院の窓口負担も3割負担と1割負担に複雑化している。患者本人の病院の窓口と保険料の負担を重くすることで高齢者医療費の増加を抑制するという方法では、高齢者から必要な医療給付を奪うことにつながる。したがって、高齢者の生活を脅かす後期高齢者医療制度に問題があると考え、反対との意見。
今後は、団塊の世代の加入により被保険者数は増加が見込まれるが、現時点では必要な財源を確保し、適切に運営されているので賛成との意見。
採決の結果、適正な執行と認め、賛成多数で原案を認定すべきものと決定いたしました。
次に、認定第4号 令和2年度可児市介護保険特別会計歳入歳出決算認定について討論に付したところ、介護保険支払準備基金が増加する中、第1号被保険者の保険料は、第7期と比較して、第8期は200円値上げされた。その一方で、高額介護サービス費や介護施設へ入所する低所得者に対する補足給付制度が縮小されるなど、この介護保険制度そのものに問題があると考えるので、反対との意見。
介護保険料の徴収率は98.7%で、毎年上昇しており、収納努力の結果であり、全般にわたり適正に執行され、安定的な介護保険財政が図られており賛成との意見。
採決の結果、適正な執行と認め、賛成多数で原案を認定すべきものと決定いたしました。
次に、認定第2号及び認定第5号から認定第15号の各会計決算認定並びに議案第49号から議案第53号までの令和3年度各会計補正予算及び議案第63号及び議案第64号の令和2年度水道事業会計及び下水道事業会計未処分利益剰余金の処分について、採決の結果、全会一致で認定及び可決すべきものと決定いたしました。
なお、令和2年度の予算執行の結果を踏まえ令和4年度予算編成に生かすよう執行部に対して提言を行うため、3つの常任委員会所管ごとに分科会を設置し、9月9日、10日、13日にそれぞれ提言案を取りまとめ、9月15日、討論、採決の後、一般会計の中で次の4項目について意見を集約しました。
1つ、地域経済の支援策について。コロナ禍で落ち込んできた地域経済の下支えができるような政策を積極的に講ずること。
2つ、地区センターの地域拠点化について。地区センターの地域拠点化事業の結果を踏まえ、地区センターの目的を明確にし、地域の課題・特性に合わせた支援(財源等)の仕組みを構築すること。
3つ目、道路維持費の拡充について。住民の生活環境に直結するような道路整備については、積極的な予算確保をすること。
4つ目、小・中学校のICT教育の推進について。ICT機器を使った学習環境のさらなる充実を図られたい。また、学校や家庭でのオンライン授業を円滑に行えるよう、教職員の研修体制を充実するなど、子供たちの学びに格差が生じないようにすること。
以上、4項目を令和4年度予算編成への提言とします。
これら委員会審査を通じて各委員から寄せられました指摘や意見を踏まえ、今後の行政執行に十分反映することを要望します。
以上で予算決算委員会の審査結果報告を終わります。
6:
◯議長(
山田喜弘君) 委員長、そのままでお待ちください。
以上で、予算決算委員会の審査結果の報告は終わりました。
これより、ただいまの審査結果報告に対する質疑を許します。
〔挙手する者なし〕
7:
◯議長(
山田喜弘君) 質疑もないようですので、これにて予算決算委員会の審査結果報告に対する質疑を終結します。委員長は自席にお戻り願います。
次に、総務企画委員会の報告を求めます。
総務企画委員長
野呂和久君。
8:
◯総務企画委員長(
野呂和久君) 総務企画委員会の審査結果の報告をいたします。
今期
定例会において、当委員会に審査を付託された案件は、条例の一部改正が2件でした。
去る9月9日に委員会を開催し、審査を行いました。
その結果、議案第54号 可児市個人情報保護条例の一部を改正する条例の制定について、説明の後、質疑に付したところ、特定個人情報の訂正の実施をした場合の通知先について、総務大臣を内閣総理大臣に改めることは、内閣総理大臣の下に全ての情報を集めるということかとの質疑に対して、国がつくった情報提供ネットワークシステムの管理者が内閣総理大臣に替わったことによる改正であるとの答弁。
その他種々の質疑がありましたが、討論に付したところ、これまで個人情報保護法は民間事業者、行政機関、独立行政法人のそれぞれ3本の法律で分散管理してきたが、3法を統合した。これはあらゆる情報を集中して、個人情報を企業の利益のために利用する仕組みをつくるためと思えるので反対との意見がありました。
採決の結果、適正と認め賛成多数で原案を可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第55号 可児市手数料徴収条例の一部を改正する条例の制定について、説明の後、質疑に付したところ、個人番号カードの再交付に係る手数料については地方公共団体情報システム機構が徴収することになるが、カードの再発行はこれまで同様市の窓口でできるのかとの質疑に対して、今までと同じ手続となるとの答弁。
その他種々の質疑がありましたが、採決の結果、適正と認め全会一致で原案を可決すべきものと決定いたしました。
以上で、総務企画委員会の審査結果報告を終わります。
9:
◯議長(
山田喜弘君) 委員長はそのままでお待ちください。
以上で、総務企画委員会の審査結果の報告は終わりました。
これより、ただいまの審査結果報告に対する質疑を許します。
〔挙手する者なし〕
10:
◯議長(
山田喜弘君) 質疑もないようですので、これにて総務企画委員会の審査結果報告に対する質疑を終結します。委員長は自席にお戻り願います。
次に、建設市民委員会の報告を求めます。
建設市民委員長 中村悟君。
11:
◯建設市民委員長(中村 悟君) 建設市民委員会の審査結果報告をいたします。
今期
定例会において当委員会に審査を付託された案件は、条例の一部改正が3件でした。
去る9月10日に委員会を開催し、審査を行いました。
その結果、議案第56号 可児市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部を改正する条例の制定について、説明の後、質疑に付したところ、粗大ごみの取扱いは変わらないが、支払い方法についてシールという文言が外されており、手数料の根拠がなくなるのではないかとの質疑に対し、シールについては運用として規則に定めるとの答弁。
市の指定するシール1枚が1個または1組に改正されているがどういうことかとの質疑に対し、集積場に出せる粗大ごみは150センチ掛ける80センチ掛ける60センチ以内と定めており、その範囲内の1個または数個のものを束ねたものを想定しているとの答弁。
特定ごみシールはどこで販売されるのかとの質疑に対し、粗大ごみシールのように市の窓口やコンビニエンスストア等で販売するのではなく、収集運搬許可業者の施設に備えるとの答弁。
その他、種々の質疑がありましたが、採決の結果、適正と認め全会一致で原案を可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第57号 可児市が管理する市道の構造の技術的基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について、説明の後、質疑に付したところ、可児市では今のところこの条例の改正内容が適用される計画はないとのことだが、将来的に市道ではどこが想定できるのかとの質疑に対して、可児駅前線は歩道幅が5メートルあり有効幅員としてこの規格に入ってくるので可能性はあるとの答弁。
その他、種々の質疑がありましたが、採決の結果、適正と認め全会一致で原案を可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第58号 可児市移動等円滑化のために必要な市道の構造に関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について、説明に付したところ、旅客特定車両停留施設の説明で、バス、タクシー「等」とあるが、「等」には企業や学校の送迎車も含まれるのかとの質疑に対して、それらはバスに含まれ、「等」には貨物のトラックやフェリーなどが対象になるとの答弁。
その他種々の質疑がありましたが、採決の結果、適正と認め全会一致で原案を可決すべきものと決定いたしました。
以上で、建設市民委員会の審査結果報告を終わります。
12:
◯議長(
山田喜弘君) 委員長、そのままでお待ちください。
以上で、建設市民委員会の審査結果の報告は終わりました。
これより、ただいまの審査結果報告に対する質疑を許します。
〔挙手する者なし〕
13:
◯議長(
山田喜弘君) 質疑もないようですので、これにて建設市民委員会の審査結果報告に対する質疑を終結します。委員長は自席にお戻り願います。
以上で、各常任委員会の審査結果の報告は終わりました。
これより討論を行います。
通告がございますので、
発言を許します。
初めに、認定第1号 令和2年度可児市一般会計歳入歳出決算認定についての討論を行います。
19番議員
伊藤健二君。
14: ◯19番(
伊藤健二君) 19番議員、日本共産党可児市議団、
伊藤健二でございます。
私は、認定第1号、可児市一般会計決算認定につきまして、反対の討論を行います。
まず、今の政治の貧困について先に述べたいと思います。
国の政治があまりにもひどいと思います。では、どうしていくのか。本来政治が担うべきこと、改革の方向は5つあると考えます。第1には、憲法に基づく政治の回復です。2つには科学的知見に基づく新型コロナウイルス感染症対策の強化が必要です。3つには広がった格差と貧困の是正。そして、4つ目には地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型の経済システムへの移行をする課題があります。そして、最後に5つ目として、ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現、公平で透明な行政を実現することだと考えるものです。今日の政治状況は、今述べた5つの視点に立って政治を変えていく、新しい社会をつくっていくことが必要だと考えます。
令和2年度はどんな社会経済情勢であったのか、振り返りたいと思います。
令和2年は消費税10%への増税による新たな不況へ突入をし、令和2年の1-3月期に国内経済指標は落ち込む中で、新型コロナウイルスの感染と拡大で4月を迎えました。学校一斉休校以降、活動自粛と外出規制で外食産業をはじめとして、文化芸術分野に至るまで地域中小企業の営業不振が深刻化をしたわけです。
9年間の安倍、菅自公政権下で社会のひずみが露呈をし、新自由主義の暴走によってもたらされたのが非正規雇用労働者の増大、そして所得格差が一層拡大をしたということであります。市内におきましても、コロナ禍による売上げ、収入の減少は経営難にさらに追い打ちをかける形となりましたし、社会的、経済的困窮者も増大をし、医療・介護体制に不安が広がる現状にあります。次第、困窮者の増大も数字に表れてまいりました。これは令和2年3月25日から開始をした国庫財源の社会福祉協議会の取り扱う緊急小口資金、総合支援資金などの、いわゆる特例貸付など、こうしたものの利用が一気に増大をいたしました。これは1世帯当たりで最大200万円まで借りることができます。あくまで貸付金であります。しかし、困窮者へこの貸付支援が、先ほど述べた状況の中でまずは生活資金に回したいという形で対処がされて広がってまいりました。住民税非課税世帯は償還免除方針が当初から明らかにされておりましたので、大変多くの市民がこれを活用する、利用するということになりました。令和3年3月末までの約1か年で相談者は延べ2,822件です。そして、その相談に基づき審査が行われ、2,175件が審査に上りました。その結果、緊急小口資金に1,504件、金額にしますと2億9,482万円を貸し付けることとなりました。緊急小口資金については、世帯1回のみ20万円までとなっています。そして、そこで足らない場合については、先ほどの総合支援資金のほうへ順次回っていくということになります。令和3年7月末時点で、先々月でありますが、緊急小口資金が延べ1,664件、3億2,622万円の貸付けとなっております。また、総合支援資金が742件、2億8,843万6,000円となっております。これまでに延べ3,334件の生活支援相談に乗り、合計で2,406件、6億円を超える貸付総額となるものであります。これだけの金額のお金を取りあえず貸付けで貸出しをした社会福祉協議会も大変な御苦労だったと思いますが、コロナ禍で市民生活が打撃を受けている実態がよく分かるものであります。
令和3年6月時点で国内の完全失業者は206万人を超えています。実質賃金は令和1年、それと比べますとマイナス0.9%、令和2年ではマイナス1.2%とマイナスが増えています。直近の令和3年から4-6月の間、雇用者の報酬ではマイナス1.4%、雇われている労働者にしてみれば減収であります。今後とも勤労者の生活破壊が大変懸念されているところであります。困窮者は生活保護受給世帯も増やすこととなりました。しかし、この増え方は極めて緩やかでありました。これは全国的にそうでありますが、先ほど紹介した緊急小口資金、総合支援資金で取りあえず場つなぎを行ったということが全国的にも明らかであります。全国では2021年、令和3年の8月7日時点で決定された緊急支援の小口等の資金の総額は258万2,589件に上るとなっています。そして、金額では1兆円を超えます。1兆1,191億円余となっていると聞き及んでいます。困窮者は全国的にも本当に大変な状況が広がっているということであります。可児市の場合、外国籍市民を含み生活保護受給世帯が増加をし、生活保護世帯は前年対7月比で見比べますと9世帯21人増加をしております。
コロナ禍での医療の受診控えで医療扶助費自体は例年より下がったものでありますが、厚生労慟省は概算医療費を前年度比でマイナス3.2%と公表し、新型コロナウイルス感染拡大に伴う受診控えが影響していると分析をしました。外来、小児科では特に減が大きくなりまして、小児科では22.2%の減少、そして耳鼻咽喉科では19.7%の減少幅で、令和2年度の医療費は過去最大の減少を示したところであります。
地方財政の影響も多大であります。市民税収は伸びず、法人税収も横ばいで、さほど期待できない。新型コロナウイルス対策の国・県からの臨時交付金、補助金が歳入額を押し上げた厳しい地方財政下での市民福祉の確保に努力しつつも、広がる新型コロナウイルス感染対策での遅れ、外国籍市民への対応には若干の遅れを否めません。新型コロナウイルス感染予防対策で市のエリアを越えた県の予防、感染防止措置は令和3年の2-3月期となり、医療・介護への課題は今後も大きいと見なければいけません。令和2年度の諸施策で以下に課題を指摘し、反対の理由とするものであります。幾つかの課題について指摘をしたいと思います。
1つ目は、マイナンバーカードの本来目的であるコンビニでの証明書取得は全体の僅か3.2%程度で、少ない現状にあります。健康保険証代わりにカードを使えるというのが、市内では現在3施設1病院2調剤薬局でしか利用ができないという現状にあります。
2つ目は、郷土歴史館改修計画については、可児の歴史自慢である美濃桃山陶の聖地としてエントランス、玄関機能を担う施設として陶磁器を中心に早期に改修、整備をすべきだと考えます。
3つ目には、GIGAスクール計画では教師も児童もICT機器に未習熟な現状にあると言わざるを得ません。専門のICT支援員を雇用し、教師への負担軽減が必要ではないでしょうか。
4つ目に、福祉医療費助成ではこども医療費助成件数が1.84%、延べ228人分減ったという状況にあります。子育て支援の各種手当、児童手当や児童扶養手当、養育医療給付なども前年比で減少をいたしました。子育て世帯特別給付金は、こうした中で独り親世帯分とその他世帯を足しても、令和3年度では677人分でありまして、子供数の減少が顕著である中、市のかにっこ応援特別給付金については8,721人に支給され、子育て世帯を励ましました。こうした優れた点も認めつつ、可児市の一般会計決算については以下の問題を指摘して反対討論の理由といたすものであります。
1つ目は、リニア中央新幹線について。
リニア中央新幹線では一旦立ち止まって、超大型公共交通リニア中央新幹線の在り方を根底から問い直しするべきであります。コロナ禍の時代にエネルギーの浪費の問題、運行採算性も極めて心配されています。岐阜、長野県においては過去土石流跡の谷間にトンネル掘削残土を100万立方メートルを超えるような規模で積み上げるという巨大盛土問題など、安心して見守っておれる状況ではありません。静岡県知事が指摘をする県民の命の水、大井川の水量喪失問題をはじめ、いまだに解決せず、また御嵩町美佐野工区から排出される汚染残土、要対策土とも言うようでありますが、この汚染残土を積み上げて、残土の永久処分地にする計画がいよいよ動き出しました。可児市に汚染残土の大森仮置場を造ったことから、地域を襲う台風や豪雨などがあった場合に、その被害から長期にわたり汚染物質の拡散を防護し管理するというには大変高い危険リスクがあります。これはやはり認めるべきではないと私どもは考えます。リニア開発と盛土の安全問題、これをしっかりと対策しなくてはなりません。
久々利大萱地区は美濃焼の聖地としての本市計画は、リニア地上走行の悪影響を受けるものとなります。リニア工事は掘削残土排出先と盛土の安全対策、そして要対策残土の処分問題などが山積みの状況であります。このようなリニア工事は中止すべきものとの立場から、リニアの建設促進期成同盟会分担金には反対をしております。
2つ目は、電源立地地域対策交付金についてでございます。
電源立地地域対策交付金、いわゆる超深地層
研究所分、これが決算には555万5,736円含まれており、この点に反対であります。皆さんも御存じのように、原子力発電所の廃炉の時代がやってきたと知るべきであります。原子力発電所の負の遺産、いわゆる核のごみ処分問題はいまだ解決をしておりません。この点は決して安全との関係でも重大であります。
3つ目の問題は、下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法に基づくグランドルール代替業務契約についてであります。
下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法に基づくグランドルールによって、代替業務を随意契約で行っています。その額は約4億1,000万円を超えています。これだけの業務を提供している、それならばぜひ一般競争入札に切り替えて行うべきではないでしょうか。公平性から問題があります。
以上、3点を大問題として指摘をし、以上から令和2年度可児市一般会計決算に反対をいたします。以上であります。(拍手)
15:
◯議長(
山田喜弘君) 9番議員
板津博之君。
16: ◯9番(
板津博之君) 私は、認定第1号 令和2年度可児市一般会計歳入歳出決算認定について、賛成の立場で討論をいたします。
令和2年度は新型コロナウイルス感染症拡大による小・中学校の全面休校、飲食店等の営業時間短縮要請など、市民生活や地域経済に大きな影響を及ぼし、これまで経験したことがない危機に直面した年となりました。そして、現在も緊急事態宣言下であり、多くの市民が不安を抱え、地域経済の低迷が進むなど、いまだ出口が見えない状況が継続しております。
令和2年度の市政運営は国の事業とも連携を図りながら、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策、地域経済の回復に取り組みながらも市政経営計画に基づく重点事業も着実に進めることができた年であったと評価をしております。折しも令和2年度は市政経営計画の初年度でありました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けながらも、最重点施策である企業誘致の取組として、可児御嵩インターチェンジ工業団地開発事業を着実に進めたこと、また文化創造センター大規模改修や蘇南中学校校舎大規模改造事業など、大きな事業が計画どおりに進められております。
一方、もう一つの最重点施策、観光振興については、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」を生かして市内外から多くの皆様に本市を訪れていただき、観光施策、地域経済の振興につなげるチャンスでしたが、新型コロナウイルスの影響を大きく受けることとなりました。しかしながら、明智光秀生誕の地可児や明智光秀のふるさと可児として、可児市の知名度は上がったと思います。今年度、花フェスタ記念公園内に明智荘の館を整備し「麒麟がくる」のレガシーをシティプロモーションにしっかり生かしつなげているので、一過性とならないようますますの発展に期待をしているところであります。
さて、令和2年度決算では市債残高が継続して増加しておりますが、予算決算委員会の質疑に対する執行部の説明にあったように、子育て健康プラザ マーノの建設や文化創造センター アーラの大規模改修、まちづくり振興基金の積立てなど、合併特例債を活用した事業も一段落し、今後は市政経営計画での推計によれば減少傾向に転じるとのことであります。
地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく、令和2年度決算健全化判断比率では、実質公債費比率、将来負担比率とも健全な状況が継続していますが、一方で経常収支比率は高止まりしております。少子高齢化がさらに進み、社会保障費の増加とともに公共施設の維持更新費も大きな負担となっていきますので、こうした数値の変動にも注視していくことが必要であると考えます。
それでは、一般会計の歳入歳出についてですが、まず歳入です。
新型コロナウイルス感染症対策事業と連動して国庫支出金や諸収入が大きく増加していますが、これは一時的なものであります。一方、市税は対前年度2%、3億474万円ほどの減額となっております。市民税の個人、法人では4億7,217万円ほど減額しており、新型コロナウイルス感染症の影響が大きく表れております。また、新型コロナウイルス感染症の影響は収納率にも及んでおり、収納率が0.14ポイント減少しております。その要因は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた方の市税の徴収猶予による繰越分が大きいとの説明でありました。こうした影響はあるものの、税負担の公平性の観点からも引き続き収納率の向上に努めていただきたいと思います。
収入全体では制度改正などにより、法人事業税交付金や地方消費税交付金など増額しているものもありますが、新型コロナウイルス感染症の影響は今年度も継続していますので、寄附金をはじめ自主財源の確保に引き続き努めていただきたいと思います。
続きまして、歳出です。
歳出についても新型コロナウイルス感染症対策事業の影響により、全体で対前年度35.3%、118億4,017万円ほどの増加と大きく伸びております。目的別に見ますと、総務費が新型コロナウイルス感染症対策の特別給付金事業により133.1%、83億4,295万円ほどの増額、商工費が同じくプレミアム付Kマネー発行事業により339.9%、26億5,451万円ほどの増額となっております。また、教育費が小・中学校の感染症対策やICT環境整備、特別教室空調設備設置などに加え、蘇南中学校校舎大規模改造事業や文化創造センター大規模改修事業により37.8%、16億2,014万円ほどの増額となっております。
次に、市政経営計画の重点事業ごとの主な事業の取組についてです。
高齢者の安気づくりでは、新型コロナウイルス感染症の影響で介護予防教室が中止になるなど、高齢者の運動する機会が減少する中、御自宅で運動できるよう動画を作成しケーブルテレビで流すなど、高齢者の健康づくりに取り組まれました。また、昨年度に引き続き高齢者の皆様が孤立することなく、いつまでも住み慣れた地域で安心して暮らせるように80歳の高齢者宅を民生委員・児童委員の方々などと協力して戸別訪問され、日頃の暮らしぶりや心配事など直接聞き取りが実施されております。
子育て世代の安心づくりでは、高まる保育ニーズに応えるために土田小キッズクラブが整備されました。また、増加する外国籍児童・生徒に応えるため、広陵中学校に第2ばら教室を整備し、多文化共生の観点からも子育て世代の安心づくりが進められました。また、学校環境整備では蘇南中学校校舎大規模改造事業をはじめ、新型コロナウイルス感染症対策に関連して児童・生徒1人1台タブレット、大型プロジェクター、校内LAN整備など、学校ICT事業が大きく進み、また特別教室の空調設備設置など、教育環境が大きく前進しました。
地域経済の元気づくりは、最重点方針の位置づけであり、企業誘致と観光振興を最重点施策として取り組まれました。また、可児御嵩インターチェンジ工業団地開発事業は、計画に沿って着実に進められております。観光振興についても新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けましたが、明智光秀博覧会には34万5,930人の来場者があり、市の魅力発信ができたと思います。癒やしの空間木曽川左岸の遊歩道(かぐや姫の散歩道)にも多くの方がお見えになっておりますし、美濃桃山陶の聖地、山城など本市の魅力が着実に市内外に広がっていることを実感しています。
まちの安全づくりでは、災害に強く安全に暮らせることができるように道路改良や河川改良に継続的に取り組まれております。保育園や幼稚園の園児などの散歩道の危険箇所に防護柵の設置など、対策工事が進められました。学校通学路につきましても、本議会の一般質問に答弁されましたが、点検結果を踏まえ、安全対策に取り組んでいただきますよう改めてお願いをいたします。
さらに新型コロナウイルス感染症を契機とした避難所の感染症対策として、パーティションや段ボールベッド、非接触型体温計の配備など、適切に対応されました。
こうした各種重点事業につきましては、重点事業点検報告書としてまとめられ、事業ごとに達成状況、結果の分析、今後の課題等について点検が行われており、その報告書の内容から見ても適切に各事業の実施がなされたと判断でき、その決算についても妥当であると考えます。新型コロナウイルス感染症の影響は甚大で、しかも長期にわたっております。市民生活や地域経済、そして市政運営の安定化のためにも新型コロナウイルス感染症が早期に終息することを切に願っております。
本市の財政運営も市税の減収とともに、感染症対策など新たな費用も発生し多大な影響を受けておりますが、こうした状況にあっても安定した行政サービスを提供でき、さらに将来世代にも過度な負担を引き継ぐことのない強固な財政基盤を確立していただくとともに、今後も健全財政を堅持しつつ、市民福祉の向上に向け積極的な事業の推進に取り組んでいただくよう要望し、賛成討論といたします。以上です。(拍手)
17:
◯議長(
山田喜弘君) 次に、認定第3号 令和2年度可児市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算認定についての討論を行います。
19番議員
伊藤健二君。
18: ◯19番(
伊藤健二君) 19番、日本共産党、
伊藤健二でございます。
認定第3号、可児市後期高齢者医療特別会計についての討論を行います。
後期高齢者医療保険料は引上げが続き、保険料額は高止まりしている現状にあります。保険料は重い均等割額に加え、中間層以下の所得層に対しても保険料が大きな負担となっています。75歳以上の高齢者一人一人に医療保険料を課すために加入者を6層に分割し、病院の窓口負担も3割負担と1割負担に複雑化をいたしました。また、こうした中で負担の上限額の算出や高額療養費の制度運営についても大変複雑な状況になっております。個人と世帯の単位、年齢で複雑に絡み合い、70歳から74歳までの主に国民健康保険医療等の加入者と、75歳からの被保険者を選別、差別化をしてきた歴史であります。岐阜県と共同保険者となった今も、この本質は基本的に変わりません。患者本人の窓口と保険料の負担を重くすることで、高齢者医療の増加を抑制するやり方では、年金額の目減りなど所得が減少する高齢者から必要な医療給付を奪うことにつながります。今後はさらに、1つ、窓口負担の増大、2つに負担限度額の引上げが狙われております。高齢者の生活を脅かす後期高齢者医療制度に反対であることから、この本決算に反対をするものであります。以上です。(拍手)
19:
◯議長(
山田喜弘君) 14番議員
天羽良明君。
20: ◯14番(
天羽良明君) 14番議員、可児未来、
天羽良明です。
私は、認定第3号 令和2年度可児市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算認定につきまして、賛成の立場から討論させていただきます。
令和2年度末の被保険者数は1万3,455人となり、前年度同期から296人の増加となっております。後期高齢者医療制度の医療に係る療養の給付に必要な費用の1割を占める保険料は市が徴収し、岐阜県後期高齢者医療広域連合へ保険料負担金として納付しています。本市では保険料は99.74%の高い収納率により、財源の確保に努めています。今後は団塊の世代の加入により被保険者数はさらに増加して、財政負担も増えていくことが見込まれています。本市は岐阜県後期高齢者医療広域連合と役割分担により被保険者証の発行、各種給付費の申請受付、保険料の徴収や健康診断など、事務を円滑に実施されています。また、特別会計で必要な財源も確保して適切に運営されていると認められますので、認定第3号について賛成といたします。以上です。
21:
◯議長(
山田喜弘君) 次に、認定第4号 令和2年度可児市介護保険特別会計歳入歳出決算認定についての討論を行います。
19番議員
伊藤健二君。
22: ◯19番(
伊藤健二君) 19番、日本共産党可児市議団、
伊藤健二でございます。
認定第4号、可児市介護保険特別会計決算につきまして討論を行います。
2020年度までの第7期介護保険計画では、3年間の介護費用は約200億円、1号被保険者の標準月額介護保険料は5,500円でありました。介護保険支払準備基金は、さきの年度末で6億3,524万円の黒字となりました。第8期の介護保険料額の算定に当たりまして、この黒字を受け継ぎ、標準保険料額の値上げ幅抑制にこれを使って寄与させました。しかし、月当たり200円の値上げとなり、5,500円だったものが5,700円に値上げをしました。
介護保険制度には一定の幅で自治体の条例決定で施策を決め得る事項がありまして、今年4月からの8期介護保険料をそうした観点で比較をしてみました。第5段階の、いわゆる月額介護保険料の基準額が年間で6万8,400円、月額にしますと可児市の5,700円でありますが、これと同額の市がほかにもありましたので比較をしてみました。秋田県湯沢市であります。人口4万3,000人、面積は可児市の約10倍弱、790平方キロメートルと大変広大であります。まちの成り立ち、条件も全然違いますからどうして基準額が同じなのかなといろいろと見たわけですが、特徴的なことを簡単に述べると、湯沢市は第1段階の保険料額は2万520円、これが第5段階まで続きます。可児市とこの並び方は同一であります。つまり低所得層に対する介護保険料の設定の仕方は可児市と同じだということであります。所得階層最上位の湯沢市第9段階が12万9,960円で、標準額の1.9倍設定となっているところであります。これに対して可児市の場合はどうかといいますと、第5段階までの基準的な非課税世帯を含めたレベルについては可児市と湯沢市が同じでありますが、今度は可児市がそれ以上の段階、第6段階から上に対してはどうなるかといいますと、可児市は大変細かくラインを分けております。可児市では第17段階に最上位の所得段階層がセットされ、1,500万円以上のクラスを設定しております。金額で言うと基準額は2.2倍、年額では15万480円の保険料を設定するとなっているわけであります。
自治体の規模、内容、人口も違いますから当然その差はあっていいわけですが、介護保険はこのように医療のほうとは少し違って、独自設定できる内容があります。高所得者層にはより応分に負担を願うものとなっているのが可児市のほうであります。介護保険給付の伸びと保険料負担のバランスが今後の課題となります。介護予防事業では、既に市が実施する総合事業としてこの間区別され、高齢者福祉事業となりました。この内容については、一般会計のほうでもきちんと評価されておるところだと思います。予防給付事業、地域支援事業の財源問題が今後の課題となりますが、支援の仕組みと体制、サービスのきっかけと助け合い事業の普及と浸透が強く求められているものと考えています。今後の事業進展がこの面では望まれているところであります。
さて、問題は本体の介護保険法の下で可児市の介護保険の費用、給付等の問題になります。介護保険法の改悪によって、これは全国一律に改悪されてくるわけでありまして、課税所得160万円以上の現役並み所得者に利用料の3割負担を実施し、低所得者の介護施設入所者には食費や居住費を補助する制度でありました補足給付制度、これが縮小を決められました。そして、今年2021年、令和3年度の8月から資産要件や預貯金、財産、資産を厳格に把握し運用するということが実施されたために、施設入居者、利用者に大変な負担増を求める内容となりました。
本当に実際どうなんだろうかということで、私は知り合い、知人等に問合せをしたところが可児市の実例でありますが、週に1泊2日でショートステイ等を利用した90代の母親を介護している方に情報を得ることができました。7月期に4週間、そして8月期も同じパターンで利用したということでありますが、7月の請求は2万7,400円程度でありましたが、8月に入って新しい運用でやられた結果5万5,540円ということで、約倍に費用負担が上がったという実例がございました。この8月からの厳格実施によって、施設入居者、利用者に負担増を求める内容となったのが国の制度改悪であります。生活保護、生活保護基準世帯、住民税非課税世帯などへの対策、支援策が必要であります。利用料の独自減免制度の検討など、ぜひ進めていただきたいと考えています。補足給付制度、そして高額サービス費所得区分の見直しは今後も続いてまいります。介護保険料の減免制度、これは現行、既に災害や病気、失業、失職、廃業、収入減、特別な事情などによって市長権限でも対処できる制度でございますので、こうした減免制度の周知徹底を図りがてら、必要なところへ必要な支援を行っていくよう求め、2020年度介護保険特別会計決算には、この点から反対をさせていただきます。以上です。(拍手)
23:
◯議長(
山田喜弘君) 3番議員 中野喜一君。
24: ◯3番(中野喜一君) 3番議員、可児未来、中野喜一でございます。
認定第4号 令和2年度可児市介護保険特別会計歳入歳出決算認定について、賛成の立場で討論させていただきます。
介護保険制度は今日の高齢化社会を維持していくために必要な社会保障制度となっており、ますますその役割が期待されているところです。令和2年度決算における保険給付費は約65億7,580万円で、前年度比3.1%の増加となっています。平成30年度から令和2年度までの3年間を計画期間とする第7期介護保険事業計画の範囲内で推移しており、この3年間の合計決算額も計画値の93.2%と、新型コロナウイルス感染症の影響などがあったものの、おおむね計画に沿った適正な事業運営が図られたものと考えます。
また、地域支援事業ではコロナ禍においても自宅で体操を継続して行ってもらえるよう、K体操や脳トレ体操の動画配信を行うとともに、オンライン会議を利用して医療・介護関係者の連携体制を維持するなど、コロナ禍における新しい生活様式の中でできることを着実に進められたものと考えます。さらに介護保険料の収納率は98.7%で、平成27年度から少しずつではありますが、毎年上昇しております。これも日々の収納努力の積み重ねによる結果であると認めるところでございます。
以上のことから、令和2年度可児市介護保険特別会計については適正に執行され、安定的な介護保険財政が図られていると評価し、認定第4号については賛成といたします。以上です。
25:
◯議長(
山田喜弘君) 次に、議案第54号 可児市個人情報保護条例の一部を改正する条例の制定についての討論を行います。
20番議員 冨田牧子さん。
26: ◯20番(冨田牧子君) 20番、日本共産党可児市議団の冨田牧子でございます。
私は、議案第54号 可児市個人情報保護条例の一部を改正する条例の制定について、反対討論を行います。
これまで日本の個人情報保護制度は、各自治体で制定された個人情報保護条例と民間事業者、行政機関、独立行政法人のそれぞれ別の3本の法律で運用され、個人情報は分散管理し、なるべく集約できないように保護が図られてきました。しかし、菅内閣がこれら3法をデジタル社会形成関係整備法として統合し、関係機関が個人情報を容易に共有できるようにしてしまいました。そして、自治体でも個人情報保護条例の改正を図り、内閣総理大臣が監督者となるよう条例改正を図ります。その結果、所得や資産、医療、教育などの膨大なデータが政府に集中し、国家による個人情報の管理が進むことになります。その個人情報を大規模に集める手段としているのがマイナンバーの利用拡大です。政府が管理するウェブサイト、マイナポータルで行政手続の利用を促し、そこを入り口にして集まる個人情報を利活用に回します。結局のところ、デジタル庁の目的は国家が最大の情報プラットフォームとなって行政のデジタル化を通じて集まる膨大な個人情報を企業のもうけに利用する仕組みづくりです。
国の最近のデジタル行政を振り返ってみますと、COCOAアプリ、これはコロナ感染者と接触したかを教えてくれるアプリでしたが、全く機能しませんでした。また、令和2年10月に開始をした中央省庁の情報システムを統合するための共通プラットフォーム、これは利用があまりにも少なく、運用を打ち切ることになりました。これはアマゾンウェブサービスのクラウドサービスを採用しているものです。9月1日から始まったデジタル庁は職員の中で民間の出身者が100人以上もいるということです。特定企業の利益を優先するような政策を推進するのではないか、特定企業に都合のよいルールづくりをするのではないかと心配されていますが、先日にはデジタル庁の事務次官級の審議官がNTTと会食をし、懲戒処分を受けております。また、みずほフィナンシャルグループのシステム不具合は6次にわたって不具合を発生しております。これはITの4社が関わっていることですが、いまだに完全に解決に至っておりません。ことほどさように国のデジタル完全行政は信用が置けません。
以上の点から私は今回の個人情報保護に逆行するデジタル関連法には反対する、こういう立場から今回の条例改正に反対をいたします。以上です。(拍手)
27:
◯議長(
山田喜弘君) 以上で通告による討論は終わりました。
これにて討論を終結します。
これより採決をします。
初めに、ただいま議題となっております27議案のうち、認定第1号、認定第3号、認定第4号及び議案第54号を除く23議案を一括採決します。
お諮りします。本23議案に対する各常任委員長の報告は、原案を可とするものであります。よって、本23議案は、各常任委員長の報告のとおり、それぞれ原案を可とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」の声あり〕
28:
◯議長(
山田喜弘君) 御異議ないものと認めます。よって、本23議案はそれぞれ原案のとおり決定しました。
次に、認定第1号 令和2年度可児市一般会計歳入歳出決算認定についてを採決いたします。
お諮りします。本案に対する予算決算委員長の報告は認定であります。よって、本案は委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
29:
◯議長(
山田喜弘君) そのままでお待ちください。御着席ください。
起立多数と認めます。よって、本案は認定することに決定しました。
次に、認定第3号 令和2年度可児市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算認定についてを採決します。
お諮りします。本案に対する予算決算委員長の報告は認定であります。よって、本案は委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
30:
◯議長(
山田喜弘君) そのままでお待ちください。御着席ください。
起立多数と認めます。よって、本案は認定することに決定しました。
次に、認定第4号 令和2年度可児市介護保険特別会計歳入歳出決算認定についてを採決します。
お諮りします。本案に対する予算決算委員長の報告は認定であります。よって、本案は委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
31:
◯議長(
山田喜弘君) そのままでお待ちください。御着席ください。
起立多数と認めます。よって、本案は認定することに決定しました。
次に、議案第54号 可児市個人情報保護条例の一部を改正する条例の制定についてを採決します。
お諮りします。本案に対する総務企画委員長の報告は原案を可とするものであります。よって、本案は委員長の報告のとおり原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
32:
◯議長(
山田喜弘君) そのままでお待ちください。御着席ください。
起立多数と認めます。よって、本案は原案のとおり決定しました。
ここで午前10時30分まで休憩します。
休憩 午前10時14分
──────────────────────────────────────
再開 午前10時30分
33:
◯議長(
山田喜弘君) 休憩前に引き続き会議を再開します。
──────────────────────────────────────
請願第3号について(委員長報告・委員長報告に対する質疑・討論・採決)
34:
◯議長(
山田喜弘君) 日程第3、請願第3号
選択的夫婦別姓制度について法制化を求める請願についてを議題とします。
本請願につきましては、建設市民委員会にその審査を付託していますので、その審査結果の報告を求めます。
建設市民委員長 中村悟君。
35:
◯建設市民委員長(中村 悟君) 建設市民委員会、請願審査の結果の報告を行います。
今期
定例会におきまして、当委員会に審査を付託されました請願第3号
選択的夫婦別姓制度について法制化を求める請願について、去る9月10日に委員会を開催し、審査を行いました。
紹介議員の補足説明を求め質疑に付したところ、
選択的夫婦別姓制度を導入すると家族がばらばらになるとか離婚数が増えるという意見があるが、どう思うかとの質疑に対し、夫婦が別姓になることが家族の一体感を失う大きな要因にはならないと思うとの答弁。
その他種々の質疑がありましたが、討論に付したところ、各種アンケートの結果を見ると大体6割ぐらいの方が賛成している制度であると思われる。国会でも真剣に議論する状況にきていると思うので採択。
最高裁判所は、
選択的夫婦別姓などの姓に関する在り方は、国会で論ぜられ判断されるべき事項であるとしている。国会は司法の投げかけを真摯に受け止め議論を加速していく必要があるので採択。
個人の尊厳を守る。男女の差別をなくすという点で採択。
可児市男女共同参画プランを策定し、全ての市民が性別に関係なくその個性と能力を十分発揮できる可児市を目指して取り組んでいることから採択。
多文化共生を目指す都市として、当然あるべき方向として採択との意見がありました。
採決の結果、本請願については賛成全員で採択とすべきものと決定をいたしました。
以上で、建設市民委員会に審査を付託されました請願の審査報告を終わります。
36:
◯議長(
山田喜弘君) 委員長は、そのままでお待ちください。
以上で、建設市民委員会の審査結果の報告は終わりました。
これより、ただいまの審査結果報告に対する質疑を許します。
〔挙手する者あり〕
37:
◯議長(
山田喜弘君) 10番議員 澤野伸君。
38: ◯10番(澤野 伸君) ただいまの審査結果について、幾つか質問させていただきます。
審査報告の中に、大体6割ぐらい賛成されている制度であると思われるので賛成だと、採択すべきだというお話がございましたけれども、これは多分平成29年度に実施されました内閣府の家族の法制に関する世論調査での回答だというふうに思いますが、この内閣府が出された、平成30年2月に公表されておりますけれども、これかなり多岐にわたっての世論調査が出ております。そういった中身について、しっかりこれは確認を取った上で議論をされたかどうかお尋ねをいたします。
39:
◯議長(
山田喜弘君) 建設市民委員長。
40:
◯建設市民委員長(中村 悟君) 今の質問に対してお答えいたします。
委員会の中では請願の中にもございました6割という今の、66.5%だったかな、という数字は、世論調査の中に入っておりますが、具体的に世論調査とか、ここに書いてある数字の、それがどういう内容かという審議は委員会ではしておりません。
ただ、委員会の委員からの意見のところで、そのことだけを言ってみえるんではなく、各種アンケートを個人的にいろいろ見たけれども、大体6割ぐらいの方がという意見でございましたので、直接今澤野議員が言われた世論調査の意味での6割とは違うのかなというふうに私は受け取って、個人の意見は言っちゃいけませんが、各種アンケートを見てということでしたので、そういうことです。
〔挙手する者あり〕
41:
◯議長(
山田喜弘君) 澤野伸君。
42: ◯10番(澤野 伸君) であるならば、4割は反対だというふうな捉え方もできるわけでありまして、可児市市民の意見、これはやっぱり可児市議会が意見書を出すということでありますので、4割の方が法制度には反対だというふうにも捉えられるわけでありまして、そういった反対の意見を持たれる可児市市民に対しての意見というものに対して、委員会はどのように捉えるべきかということの議論というのはなされたでしょうか。
43:
◯議長(
山田喜弘君) 建設市民委員長。
44:
◯建設市民委員長(中村 悟君) お答えします。
そういった意味での、今回この請願を受けて意見書を出すことになりますが、市民の方に対しての共有ということについては委員会では協議されておりません。しませんでした。
45: ◯10番(澤野 伸君) 以上で終わります。
46:
◯議長(
山田喜弘君) ほかに質疑はございませんか。
〔挙手する者なし〕
47:
◯議長(
山田喜弘君) 質疑もないようですので、これにて建設市民委員会の審査結果報告に対する質疑を終結します。委員長は自席にお戻り願います。
これより討論を行います。
通告がございますので、
発言を許します。
10番議員 澤野伸君。
48: ◯10番(澤野 伸君) 10番議員、会派きずな、澤野伸でございます。
請願第3号
選択的夫婦別姓制度について法制化を求める請願について、反対の立場で討論をさせていただきます。
まず初めに、
選択的夫婦別姓制度について法制化を求める請願に添付されております
選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論を求める意見書案の冒頭にあります2017年の内閣府の世論調査の表記についてでありますが、ここには夫婦同姓も夫婦別姓も選べる
選択的夫婦別姓制度の導入に賛成または容認すると答えた国民は66.9%であり、反対の29.3%を大きく上回ったことが明らかになりましたとありますが、これは2018年、平成30年2月に内閣府が公表した家族の法制に関する世論調査でありますが、ここに書かれているのは、現在は夫婦は必ず同じ名字を名のらなければならないことになっているが、現行制度と同じように夫婦が同じ名字を名のることのほか、夫婦が希望する場合には同じ名字ではなく、それぞれの婚姻前の名字を名のることができるように法律を改めたほうがよいという意見がある。このような意見についてどのように思うか聞いたところ、婚姻をする以上夫婦は必ず同じ名字を名のるべきであり、現在の法律を改める必要はないと答えた者の割合が29.3%、夫婦が婚姻前の名字を名のることを希望している場合には夫婦がそれぞれ婚姻前の名字を名のることができるように法律を改めても構わないと答えた者の割合が42.5%、夫婦が婚姻前の名字を名のることを希望していても夫婦は必ず同じ名字を名のるべきだが、婚姻によって名字を改めた人が婚姻前の名字を通称としてどこでも使えるように法律を改めることについては構わないと答えている者が24.4%となっております。
もう一度言います。婚姻によって名字を改めた人が婚姻前の名字を通称としてどこでも使えるように法改正する、またさらに夫婦は必ず同じ名字を名のるべきだがという前提がございます。これが24.4%でございます。法改正により通称使用の権利拡大を容認すると答えている24.4%の方は、夫婦別姓を容認しているわけではないのに容認する割合に合算され、66.9%と表記されております。この世論調査では
選択的夫婦別姓制度の導入に4割が賛成、5割が反対していると表記するのが正しいわけであります。この世論調査からも分かるように、反対の中にも旧姓を通称として使用できるように法律を改めても構わないという意見があるなど、国民の間にも様々な意見が存在しております。また、民間のマッチングアプリを運営している会社のアンケートでは、385名の男女を対象にしたものの中では、旧姓使用を拡大すれば夫婦別姓は必要ないという考え方について賛否を問うたところ、そう思う、どちらかといえばそう思うが69.9%で、ほぼ7割を占めておりました。夫婦別姓導入の前に、旧姓使用を拡大すればいいというものであります。現在、仕事でも旧姓を通称として使用できるようにしている企業が増えております。また、希望すればパスポートやマイナンバーカードに旧姓を併記することができます。このように旧姓が使用できる場所や
文書を拡大していけば、戸籍上の名前を変えても不便はないだろうという考え方であります。また、さらなる権利拡大も可能であるはずでございます。また、仮に夫婦別姓が認められた場合、従来の夫婦同姓の制度と一体不可分である戸籍制度に大きな影響が出ることも懸念されております。結婚すると夫婦やその間に生まれた子供は同じ戸籍に記載され、姓は家族の名称という意味を持ちます。しかし、別姓になれば姓は単なる個人の名称になります。たとえ
選択制にしても家族の呼称を持たない存在を認める以上、結局は制度としての家族の呼称は廃止せざるを得ないことになるでしょう。事は家族の根幹に関わる夫婦別姓を認めると、子供が夫と妻のどちらかの姓を名のるのか、どの時点で決めるかといった問題も生じかねません。より慎重な議論が必要であります。
選択的夫婦別姓制度については制度法制化ありきの意見書ではなく、市議会としては国民、市民の間に様々な意見があることを踏まえ、戸籍制度等の社会的な影響範囲も含めて、深く慎重に議論するよう求めていく意見書であるべきと考えます。このような意見書は、令和2年7月に名古屋市議会からも提出されております。
選択的夫婦別姓制度について法制化を求める意見書ではなく、制度法制化を市民が望んでいるということを議会が体現することになってしまうので、積極的に意見を交換してほしい、国において積極的議論を進めてほしいといった意見書にすべきであります。市民の中には制度法制化に慎重な意見、反対意見なども存在します。そうした市民の意見も尊重すべきであり、議会として国に意見書を提出する上で最も配慮すべき事柄であると考えております。
いま一度議員の皆様におかれましてはお考えいただき、何とぞ御賛同賜りますことを重ねてお願いを申し上げます。
今回の請願を否決いただき、改めて国に対しては
選択的夫婦別姓制度について積極的な議論を求める意見書提出に向けた取組をすべきであると考えております。私自身、皆様に御提案する準備もございます。議員の皆様の賢明なる御判断をよろしくお願いを申し上げて、反対討論とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
49:
◯議長(
山田喜弘君) 6番議員 渡辺仁美さん。
50: ◯6番(渡辺仁美君) 6番議員、立憲民主党市民の声、渡辺仁美です。
私は、請願第3号、
選択的夫婦別姓法制化に向けての請願について、賛成の立場で討論いたします。
民法は、私たちが呼ぶ姓や名字を氏と記しています。ですので、法務省はこのことを
選択的夫婦別氏制度としていますが、今回は請願者のおっしゃる
選択的夫婦別姓制度として論じます。
また、論点は2つ。結婚について、そしてもう一点は女子差別であります。結婚は2人の人がする契約であります。法律婚に基づけば、保証された身分と様々な法律的利益がおのずと生じてまいります。ただ、私たちが結婚というと単に当事者2人だけの問題ではなくて、家族がついて回りますし、家や家柄、家系といったことも頭に浮かびます。この家という概念は日本だけのものでしょうか。英語圏でいうと、英語にはファミリーツリーという言葉があり、それが家系図に相当する。そして、1本の木となぞらえて代々家系をつなげています。先祖のことをアンセスターと言いますけれども、ルートと呼んだりするのも、これは根っこのことで、その木になぞらえることに由来しています。また、名前の呼び方、呼び合い方ですけれども、英語圏ではファミリーネームで呼ぶことは若干堅い。なので、ファーストネームで呼び合うことが普通です。何代か前のアメリカ大統領と何代か前の日本の総理大臣がロンとヤスと呼んだことは皆さん御記憶にあると思います。これは相互に文化の共有、認め合いをした結果であります。
また、結婚の形ですけれども、結婚には近年大変年代の幅が広がってきております。40代、50代、あるいは高齢者の結婚もあります。そんな中で、結婚という法律婚を望むときに姓を改めなければならない。今さら自分の生まれ持ったアイデンティティーをどちらか一方が変えることは耐え難い、そういった考え方。あるいは周りの人が、家族が既にある中で、相続に関してそういったことは求めない。また、離婚率が増えた中、再婚も増えています。当然お子さんもいます。お子さんは保育園や幼稚園、学校においても既に社会生活を営んでいますので、自分のアイデンティティーでもって生まれた名前が変わる、このことに抵抗はないでしょうか。私の知人で40歳で、男性ですが3人の子を持って3度目の結婚をした人がいます。今はとても幸せに暮らしておられますけれども、幸い男性だったために姓を子供たちが変えることはありませんでした。しかし、その逆の場合をお考えになってみてください。女性が3人の子供を連れて結婚したときに、当然法律上子供たちの名前も変わるところです。
さて、女子差別の論点に移ります。日本に初めて夫婦同姓、この制度が導入されたのは明治31年、旧民法下です。その30年ほど前には明治維新がありました。大政の奉還があった、その直後のことなんです。それが明治、大正、昭和、平成、令和と続いています。現在の民法下では婚姻のところでこう規定されています。男性か女性、どちらか一方がその氏を必ず改めなければならない。結婚するには氏が一緒じゃないと駄目、でも男性でも女性でもどちらが変えてもいいんだよということなんですが、現状はいかがでしょうか。男性がその氏を改めた全体に対する割合は約4%。96%が女性が生まれ持ってアイデンティティーとして生きてきたその名前を変えています。通称はもちろん、皆さん社会生活、職場では既に通称を使うのは当たり前になっています。私の知り合いで30年間続いている会社、そこの創立当初から財務、経理を担当してきた女性が会社のために築いてきた、そういった取引先銀行との信用、それらを結婚のときに一旦大変な思いをされて、書類等々はもちろんですけれども、信用の失墜に至りそうなことがあったと当時の苦労話を語ってくださったことがあります。そういった名前を変えることに対する女性の抵抗は最近のアンケートに出てきています。もし結婚をして法律婚をするよりは、いろんな社会保障がなくても事実婚でいいわというアンケートで、若い女性の率が大変多かった、この結果を見ました。そのほかにも、もし事実婚をされたならば、いろんな法律的な不利益が生じてまいります。例えば医療行為のときはいかがでしょうか。全身麻酔、あるいは手術、そのときに家族の同意が要ります。家族としての身分を認めるのに緊急を要するときにどんなことが起きるか御想像ください。また、相続のときには相続順位も変わってまいります。法律婚でない事実婚を求める場合の不利益を被ってもそうするという現状の法律化、私たち日本人のそういった結婚の在り方をいま一度考えるべきときに来ています。
いろんな訴訟がこの
選択的夫婦別姓については行われてまいりました。一番最近のものでは、令和3年6月23日、最高裁判所大法廷において判断がされました。残念ながら、民法のこの規定は違法ではない、違憲ではないという判断でした。しかし、主文は続きました。国会において議論すべきである。司法が国会にそう意見を述べました。可児市は多文化共生のまちであります。可児市議会の皆様におかれましては、公明で正大な御判断を仰ぎたく、私の賛成の討論といたします。以上でございます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
51:
◯議長(
山田喜弘君) 20番議員 冨田牧子さん。
52: ◯20番(冨田牧子君) 20番、日本共産党可児市議団の冨田牧子でございます。
ただいまの渡辺議員のすばらしい討論に続きましてやらせていただくわけですが、私は何分にも紙を見ないとちょっと討論ができないので、先ほどは本当にすばらしい討論でした。全く私は感心いたしております。
私も同じように、
選択的夫婦別姓制度について法制化を求める請願の賛成討論を行いたいと思います。
別氏、別姓での婚姻届の受理を認めない最高裁判決が2015年に続いて2021年6月にも出されましたが、今回は15人いた裁判官の中で4人の方が反対意見を出されております。その内容は5点ありますが、私はそのうち3点を紹介させていただきたいと思います。
まず第1に2015年の判決では、氏姓に関する人格権の内容は法制度を待って初めて具体的に捉えられるとしておりましたが、今回の裁判官の反対意見では、氏名に関する権利、利益は法律によって創設された権利でも法制度によって与えられた利益でもなく、制度以前の人間の営みによって生ずるものだということが明確に述べられております。
第2点、2015年の判決では家族の呼称としての意義はあると、このように言っておりましたが、今回の反対意見では家族という概念は憲法でも民法でも定義をされておらず、世帯の実態は多様化している、このように述べられています。家族の形は制度に当てはめるものばかりでなく、社会に実存する様々な家族を包摂するために制度のほうを変えていく必要があります。
また、第3に通称使用についてですが、2015年の判決では通称使用によって夫婦同姓強制による不利益については一定程度緩和されるとしておりましたが、今回の反対意見の中では通称使用は人格的不利益の損失という本質的な問題を解決せず、ダブルネームの使い分けの負担の増加など不合理な結果を生じさせるとして、通称使用では十分な解決にならないとしています。
2021年6月の最高裁の判決では、以上のような反対意見が別姓婚を認めないことを理由なく合憲とする多数意見と併記をされております。このことからも、
選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた積極的な議論を国会でやるように、この議論を求める意見書を本市議会からも提出すべきだと考えます。以上です。(拍手)
53:
◯議長(
山田喜弘君) 16番議員
野呂和久君。
54: ◯16番(
野呂和久君) 16番議員、可児市議会公明党の
野呂和久です。
請願第3号
選択的夫婦別姓制度について法制化を求める請願について、可児市議会公明党を代表して賛成の立場で討論を行います。
私たちは生を受け、親などから名をつけてもらい、氏名を名のります。その多くは生涯にわたり同じ氏名を名のります。その多くとは、男性の多くはということです。現状は女性の96%が結婚に伴って姓を変更しているとする厚生労働省の調査結果でも明らかです。ここが強く女性が改姓することに対し、当事者意識を持つところと思います。日本では民法に、婚姻に際し夫婦が同姓となることを規定し、それを受けて戸籍法は婚姻届に夫婦の姓を届け出るよう規定しています。このため、夫婦が称する姓を定めない限り婚姻届は受理されません。結婚時に夫婦のどちらかがこれまで名のってきた姓を変更、改姓することを日本の法律では求められています。婚姻を同意しながらも、夫婦のどちらかが同じ姓となることを望まない場合はどうなるのでしょうか。結婚を諦めるのでしょうか。それとも法的根拠のない事実婚を
選択する道を選ぶのでしょうか。これでは非婚、また少子化につながるのではないかと危惧する声もあります。
日本は女子差別撤廃条約に1980年7月に署名し、5年後に国会承認を経て、1985年1月25日に条約が発効しています。この条約は、女性、女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃することを基本理念とした条約であり、締結国は条約の実施のために取った立法や行政などの国内の措置などを定期的に報告し、女性差別撤廃委員会の審査を受けることとなっています。その経過の中で、2003年、2009年、2016年の3回にわたり日本は
選択的夫婦別姓を求める勧告を受けました。国内では法務省が1991年から婚姻制度等の見直しの審議が行われており、5年後の96年に
選択的夫婦別姓制度の導入の提言が出されました。これを受け、法務省は1996年と2010年の2回にわたり法律の改正案を準備しました。改正が必要となる法律は民法と戸籍法のほかに、家事事件手続法と外国法人の登録及び夫婦財産契約の登記に関する法律の4つでした。しかし、2度とも法案が国会に提出されることはありませんでした。国民各層に様々な意見があることなどが、その背景にあったとも言われています。2017年12月の家族の法制に関する内閣府の世論調査においても、婚姻をする以上夫婦は必ず同じ名字を名のるべきであり、現在の法律を改める必要はないの項目に29.3%の人が反対と回答しており、
選択的夫婦別姓制度の導入に否定的であり、理解されていないことが分かります。しかし、国は男女共同参画社会の実現のために5つの基本理念を掲げています。その一つに、男女の人権の尊重をうたっています。であるならば、婚姻に伴う望まない改姓は人権に関わる問題でもあり、
選択的夫婦別姓について国会で議論を進め、国民の理解を深めるべきだと強く感じます。第5次男女共同参画基本計画では、
選択的夫婦別姓の文言が削除され、政府は旧姓の通称使用の拡大に取り組むとしたため、これまでの
選択的夫婦別姓の議論がストップしたように感じます。そのため、日本は各国の理解を求めるために基本計画にある旧姓使用の拡大に取り組む方針を説明しました。しかし、各国からは今の名字ではない名字を幅広く使えるようにするのは変ではないか、なぜ夫婦別姓を認めないのか等々、疑問の声が上がりました。当然の疑問であると考えます。
国がこれまで旧姓の通称使用を拡大してきた主なものとして、国の行政機関における職員の旧姓使用の対象拡大、国務大臣の旧姓使用の対象拡大、看護師免許証の旧姓併記、住民票、マイナンバーカードの旧姓併記、運転免許証の旧姓併記、介護福祉士登録証の旧姓併記、保育士証の旧姓併記、パスポートの旧姓併記の要件緩和などです。しかし、旧姓の通称使用の拡大だけでは日常生活に課題も残ります。まず、納税手続は戸籍上の氏名でなければなりません。そのほかに銀行口座の開設や保険、融資の契約、社会保障や年金の名義、特許、登記名義などはほぼ認められません。また、パスポートの旧姓併記は可能とされていますが、海外ではダブルネームとして不正を疑われることがあります。なぜなら夫婦別姓を法律で規定しているのは世界で日本だけであり、旧姓併記は海外では理解されにくいからです。また、災害時に旧姓を使用、通称使用していることで安否確認が迅速にできないケースがあるとの指摘もあります。さらに多数の金融機関はシステム改修に費用がかかるとして、旧姓併記を導入していないと言われています。そのため、結婚に伴う氏名の改姓は銀行をはじめとする多くの機関での名義変更の手続が必要となり、多大な時間と労力を費やすことになります。
こうした大変な状況に理解を示す人も増え始めています。先ほど紹介した2017年12月の内閣府が行った世論調査では、夫婦が婚姻前の名字を名のることを希望している場合には法律を改めても構わないと賛成の回答をした人は42.5%でした。また、夫婦は必ず同じ名字を名のるべきと夫婦別姓に反対としながらも、旧姓を通称としてどこでも使えるよう法律を改めることについては構わないと通称使用を一歩踏み込んで法的根拠を持たせることに賛成する、容認と回答した人が24.4%であり、賛成または容認とする国民は66.9%という世論結果も出ています。
夫婦同姓を強制する民法と戸籍法の規定は憲法に違反しないとの最高裁の判決、判断が令和3年6月に出されました。その中で、
選択的夫婦別姓など夫婦の姓に関する制度の在り方は国会で論じられ、判断されるべき事柄にほかならないとしました。国会は立法機関として、この司法の投げかけに真摯に向き合い受け止めて、議論を後退ではなく、加速させていただきたいと切に願います。
最後に、請願者は大垣市在住の方ですが、請願者から
選択的夫婦別姓制度の導入を望んでいる可児市在住の方もいますとのお話もあり、
選択的夫婦別姓制度の問題は他市の話ではないということを改めて感じ、紹介議員も受けました。請願が採択され、
選択的夫婦別姓制度の法制化に向け国会の議論が前に進むよう意見書が提出されることを願いながら、賛成の討論といたします。(拍手)
55:
◯議長(
山田喜弘君) 以上で通告による討論は終わりました。
これにて討論を終結します。
これより請願第3号
選択的夫婦別姓制度について法制化を求める請願についてを採決します。
お諮りします。本請願を採択とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
56:
◯議長(
山田喜弘君) 御着席ください。
起立多数と認めます。よって、本請願は採択とすることに決定しました。
ここで暫時休憩をします。
休憩 午前11時13分
──────────────────────────────────────
再開 午前11時14分
57:
◯議長(
山田喜弘君) 休憩前に引き続き会議を再開します。
ただいまお手元に配付されましたとおり、発委第7号
選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論を求める意見書についてが提出されました。
この際本発委を日程に追加し、日程第4として直ちに議題としたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」の声あり〕
58:
◯議長(
山田喜弘君) 御異議ないものと認めます。よって、本発委を日程に追加し、日程第4として直ちに議題とすることと決定しました。
なお、以降の日程は順序が繰り下げられたものとします。
──────────────────────────────────────
発委第7号について(提案説明・質疑・討論・採決)
59:
◯議長(
山田喜弘君) 日程第4、発委第7号
選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論を求める意見書についてを議題とします。
提出案件の説明を求めます。
建設市民委員長 中村悟君。
60:
◯建設市民委員長(中村 悟君) 発委第7号
選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論を求める意見書について、発案書の朗読により提案説明とさせていただきます。
発委第7号、発案書、
選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論を求める意見書について。
上記の事件について、別紙のとおり発案をいたします。
令和3年9月28日提出、提出者、可児市議会建設市民委員会委員長 中村悟。可児市議会議長
山田喜弘様。
それでは、意見書を朗読させていただきます。
選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論を求める意見書。
2017年の内閣府の世論調査において、夫婦同姓も夫婦別姓も選べる
選択的夫婦別氏(姓)制度の導入に賛成または容認すると答えた国民は66.9%であり、反対の29.3%を大きく上回ったことが明らかになりました。
しかし、現行の民法では、婚姻時に夫婦のいずれか一方が姓を改めることと規定しています。このため、社会的な信用と実績を築いた人が望まない改姓をすることで、自己同一性を喪失し苦痛を伴う、一部の資格証では旧姓の使用が認められない、姓を維持するために法的な保障の少ない事実婚を
選択せざるを得ないなどの問題が生じています。
政府は旧姓の通称使用の拡大の取組を進めていますが、ダブルネームを使い分ける負担の増加、社会的なダブルネーム管理コスト、個人識別の誤りのリスクやコストを増大させる等の問題も指摘されています。また、通称使用では、自己同一性を喪失する苦痛を解消するものにはならず、根本的な解決策にはなりません。
また、少子高齢化による一人っ子同士の結婚や子連れ再婚、高齢での結婚が増え、改姓を望まないと考える人や現行の民法では改姓をしなければならないことから結婚を諦めてしまう人がいるため、一層非婚や少子化につながる要因にもなっています。
このような状況から、国連の女子差別撤廃委員会は、日本政府に対し女性が婚姻前の姓を保持する
選択を可能にするよう再三にわたり民法の改正を勧告しています。
さらに、2015年12月の最高裁判決に引き続き、2021年6月の最高裁決定においても、夫婦同姓規定が合憲とされる一方、夫婦の氏に関する制度の在り方については、国会で論ぜられ、判断されるべきであるとされたところですが、依然として国会での議論は進んでいない状況です。
よって、国におかれては、
選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた積極的な議論を行うよう強く要望します。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年9月28日。岐阜県可児市議会。
提出先は、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣。
よろしくお願いいたします。
61:
◯議長(
山田喜弘君) 委員長はそのままでお待ちください。
これより質疑を許します。
〔挙手する者なし〕
62:
◯議長(
山田喜弘君) 質疑もないようですので、これにて質疑を終結します。委員長は自席にお戻り願います。
ただいま議題となっております本発委につきましては、会議規則第37条第2項の規定により、委員会への付託をしません。
これより討論を許します。
〔挙手する者あり〕
63:
◯議長(
山田喜弘君) 10番議員 澤野伸君。
64: ◯10番(澤野 伸君) 発委第7号
選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論を求める意見書について、反対の立場で討論をさせていただきます。
この意見書の冒頭ございます、
選択的夫婦別姓制度の導入に賛成または容認すると答えた国民は66.9%でありと数字が明記されてございます。先ほど請願のほうで私も述べさせていただきましたが、平成30年2月に内閣が公表しました家族の法制に関する世論調査、ここでは夫婦は必ず同じ名字を名のるべきだが、婚姻によって名字を改めた人が婚姻前の名字を通称としてどこでも使えるように法律を改めることについては構わないといった方が24.4%でありまして、夫婦別姓に容認ということではありません。この数字がそのまま乗っかってしまうというのは非常に誤解を与えてしまいますし、私自身これには物すごく疑義を感じております。このような疑義が生じたような数字を載せたような意見書を可児市議会が出すということは、これは非常にあってはならないと私は考える次第であります。
ですので、この意見書については反対の立場で意見を述べさせていただきました。何とぞ議員の皆さんの御判断を仰ぎたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
65:
◯議長(
山田喜弘君) ほかに討論はございませんか。
〔挙手する者なし〕
66:
◯議長(
山田喜弘君) 討論もないようですので、これにて討論を終結します。
これより発委第7号
選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論を求める意見書についてを採決します。
お諮りします。本発委は原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
67:
◯議長(
山田喜弘君) 御着席ください。
起立多数と認めます。よって、本発委は原案のとおり決定しました。
──────────────────────────────────────
議案第66号について(提案説明・質疑・討論・採決)
68:
◯議長(
山田喜弘君) 日程第5、議案第66号 損害賠償の額の決定及び和解についてを議題とします。
提出議案の説明を求めます。
総務部長 肥田光久君。
69: ◯総務部長(肥田光久君) 資料番号21、議案書は1ページをお願いします。併せまして、資料番号22、提出議案説明書は1ページをお願いします。
議案第66号 損害賠償の額の決定及び和解についてでございます。
道路管理の瑕疵に係る事故について、損害賠償の額を定め、和解することについて、地方自治法第96条第1項第12号及び第13号の規定により、議会の議決を求めるものでございます。
相手方車両が大森地内の市道を走行中、対向車と擦れ違う際に路肩へ寄ったところ、コンクリート製の道路側溝蓋が跳ね上がったため、左後輪付近等が破損したもので、損害賠償額は174万円です。以上でございます。
70:
◯議長(
山田喜弘君) これより質疑を許します。
〔挙手する者なし〕
71:
◯議長(
山田喜弘君) 質疑もないようですので、これにて質疑を終結します。
お諮りします。ただいま議題となっております本議案につきましては、会議規則第37条第3項の規定により、委員会への付託を省略したいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」の声あり〕
72:
◯議長(
山田喜弘君) 御異議ないものと認めます。よって、本議案につきましては、委員会への付託を省略することに決定しました。
これより討論を許します。
〔挙手する者なし〕
73:
◯議長(
山田喜弘君) 討論もないようですので、これにて討論を終結します。
これより、議案第66号 損害賠償の額の決定及び和解についてを採決します。
お諮りします。本議案は原案のとおり議決することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」の声あり〕
74:
◯議長(
山田喜弘君) 御異議ないものと認めます。よって、本議案については、原案のとおり議決することに決定しました。
──────────────────────────────────────
発委第6号について(提案説明・質疑・討論・採決)
75:
◯議長(
山田喜弘君) 日程第6、発委第6号 コロナ禍による厳しい財政状況に対処し地方税財源の充実を求める意見書の提出についてを議題とします。
提出案件の説明を求めます。
総務企画委員長
野呂和久君。
76:
◯総務企画委員長(
野呂和久君) 全国市議会議長会より、コロナ禍による厳しい財政状況に対処し地方税財源の充実を求める意見書の提出対応の依頼があり、9月9日の総務企画委員会で意見書の提出の可否及び意見書(案)の内容について諮り、全会一致で原案どおり意見書の提出が承認されました。
9月27日現在で意見書が提出された岐阜県下の市は、提出済み7、提出予定1の8市で、全て原案どおりの意見書です。
内容については、意見書(案)の朗読をもって説明に代えさせていただきます。
発委第6号、発案書、コロナ禍による厳しい財政状況に対処し地方税財源の充実を求める意見書について。
上記の事件について、別紙のとおり発案する。
令和3年9月28日提出、提出者、可児市総務企画委員会委員長
野呂和久。可児市議会議長
山田喜弘様。
コロナ禍による厳しい財政状況に対処し地方税財源の充実を求める意見書。
新型コロナウイルス感染症のまん延により、地域経済にも大きな影響が及び、地方財政は来年度においても、引き続き、巨額の財源不足が避けられない厳しい状況に直面している。
地方自治体では、コロナ禍への対応はもとより、地域の防災・減災、雇用の確保、地球温暖化対策などの喫緊の課題に迫られているほか、医療介護、子育てをはじめとした社会保障関係経費や公共施設の老朽化対策費など将来に向け増嵩する財政需要に見合う財源が求められる。その財源確保のため、地方税制の充実確保が強く望まれる。
よって、国においては、令和4年度地方税制改正に向け、下記事項を確実に実現されるよう、強く要望する。
記1.令和4年度以降3年間の地方一般財源総額については、「経済財政運営と改革の基本方針2021」において、令和3年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとされているが、急速な高齢化に伴い社会保障関係経費が毎年度増大している現状を踏まえ、他の地方歳出に不合理なしわ寄せがなされないよう、十分な総額を確保すること。
2.固定資産税は、市町村の極めて重要な基幹税であり、制度の根幹を揺るがす見直しは家屋・償却資産を含め、断じて行わないこと。生産性革命の実現や新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として講じた措置は、本来国庫補助金などにより国の責任において対応すべきものである。よって、現行の特例措置は今回限りとし、期限の到来をもって確実に終了すること。
3.令和3年度税制改正において土地に係る固定資産税について講じた、課税標準額を令和2年度と同額とする負担調整措置については、令和3年度限りとすること。
4.令和3年度税制改正により講じられた自動車税・軽自動車税の環境性能割の臨時的軽減の延長について、更なる延長は断じて行わないこと。
5.炭素に係る税を創設又は拡充する場合には、その一部を地方税又は地方譲与税として地方に税源配分すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年9月28日。岐阜県可児市議会。
提出先、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣、経済再生担当大臣。以上です。
77:
◯議長(
山田喜弘君) 委員長はそのままでお待ちください。
これより質疑を許します。
〔挙手する者なし〕
78:
◯議長(
山田喜弘君) 質疑もないようですので、これにて質疑を終結します。委員長は自席にお戻り願います。
ただいま議題となっております本発委につきましては、会議規則第37条第2項の規定により、委員会への付託はしません。
これより討論を許します。
〔挙手する者あり〕
79:
◯議長(
山田喜弘君) 19番議員
伊藤健二君。
80: ◯19番(
伊藤健二君) 提案意見書に対する反対の立場から討論をさせていただきます。
今回、全国市議会議長会からの要請による発委第6号、意見書の文案が提起をされました。私は今回追加案件として総務企画委員会に市議会議長から協議を付託され、9日に協議、審査し、先ほどの委員長報告にもある審査結果を得たところだということであります。
委員外の議員が傍聴に詰めかけ、私も審査内容に注目しつつ、地方財政強化をどのように図るのか、議論の行方を傾聴したところであります。しかし、結果としては今回全国の議長会からの要請した内容には、内容のアンバランスがありまして、今回この文案での決議には反対をするものであります。
当日9日に配られました委員会資料には、議長会からの趣旨要請文と市議会での決議案文例が提示されておりました。細かい点はさておき、私は提案の決議内容に一部納得できないものがあります。それを指摘し、本案件への反対討論としたいと考えます。
この決議文案、記載の記の字が書いてあります1から5項目があります。その前には前文と言いましょうか、コロナ蔓延下の今日、地方財政の充実が求められているということについては極めて重要な指摘がなされております。この前文で地方財政が逼迫をしているということが述べられておりまして、コロナ禍を乗り越えていくために来年度の地方税制改正に向けて措置を求めていくという趣旨がうたってあります。趣旨であり、また前段の部分については順当な内容が書かれていると認識をしました。また、委員会の討論の結果、各議員がそれなりに必要と認めた理由についても、ここに理解があるものだと私も考えました。
項目別、1に賛意を示すものであります。これは令和4年度以降3年間の地方一般財源総額については云々と書かれている、この第1項の内容です。そして、他の地方歳出に不合理なしわ寄せがなされないように十分な総額を国に求めていくということで、極めて当然であり、必要な内容であります。強く私も要望すべきだと考えます。
しかし、問題はそれ以降の各段にございます。
2項においては、現行の税制上の特例措置の内容については、極めて雑駁に十把一からげにされているのではないかと思います。家屋、償却資産を含め、制度の根幹を揺るがすような見直しがされたので、それについては問題であるから元に戻せということが主張してあるようでありますが、一体何を問題とすべきなのか、その点が明瞭ではございません。
さらに進んで、3項、4項、5項について問題があると私は考えます。
問題の3項は、課税標準額の負担調整について不適正だと。だから、令和3年度限りにすべきだということが述べてあります。
第4項では、自動車税、軽自動車なども含めまして取得税等の算定に関わる特例措置や軽減税率の再延長措置などについて、来年度は廃止を求めるものであります。しかし、ちょっと踏みとどまって考えてみれば、環境性能が高いエコカー減税やエコ住宅の課税控除は市民に支持されている、納得されているという面もございます。もし軽減措置優遇を廃止というなら、どの程度の税額に可児市の場合影響するのか。また、なぜそれをやめなきゃいけないのか等々の問題について議論があまりにも雑駁だと言わねばなりません。
第5番目の第5項について言えば、環境省からCO2排出削減に向けた炭素税の本格導入の議論を背景には持っているものと理解されるわけでありますが、令和3年6月18日の閣議決定にあります骨太方針には、これからそれは議論をするとありまして、現在環境省と経済産業省の間の論戦は、まさにつばぜり合いの状況だと言えるものであります。そんな中にあって新たに設けようとするのなら、その炭素税を地方財政の税財源にせよというものでありまして、それ自身の議論は決してゆがんでいると私は思いませんが、ただ新しい税金をつくるなら、取れるものは全部くださいという態度ではないでしょうか。総務省自治財政局に本気なんですかと私は尋ねたいと思うところでもあります。令和3年度地方財政対策の概要、これは令和2年12月21日に国が示したものでありますが、この中にはこのような議論はまだ出てきておりません。ですから、先ほど紹介したように骨太方針でも議論はこれからということで、どっちつかずの状態になっているわけであります。
先般、8月の終わりに同じ総務省自治財政局が提起をした令和4年度の課題の中では、キーワードとしましては、コロナウイルス感染症に対する対策の強化、デジタル変革、グリーン社会の実現、減災・防災がキーワードとなっているところであります。
2012年、地球温暖化対策税が日本で導入をされました。これはCO2、温室効果ガス1トン当たり289円でございますが、世界で最大額のスウェーデンは何と1トン当たりの値段は1万4,400円という、円換算でありますが、こういう金額水準となっています。スウェーデンに対しては、日本のレベルは僅か2%の水準です。これではCO2削減の効果は乏しい、まだまだだというふうに言わざるを得ません。
では、この削減効果を高めるために誰にどのように税負担をかけるのか、これが今議論になろうとしているところであります。しかし、この案文の中には、それははっきりしていません。そこで生まれる税金は我がものにしたいということで、財源主張をしているということに過ぎません。本来なら地方財政の逼迫を打開するためには、地方交付税制度の立て直しと現在の臨時財政対策債による場つなぎ的な対策については終了させていく。根源的には大企業優遇税制と社会的な不公平税制を改めて、国税収入を増やし、そして一方では消費税に頼った今の現状を改めて、消費税を5%に緊急引下げをして、コロナ禍によって痛んでいる地域経済のシステムを金銭的にも循環させるように、そうした措置をしっかりと取っていくことが強く求められているものだと考えます。そうした意味で、この意見書の提出については反対であることを表明し、皆さんの再考を求めたいと思います。以上です。
81:
◯議長(
山田喜弘君) ほかに討論はございませんか。
〔挙手する者なし〕
82:
◯議長(
山田喜弘君) 討論もないようですので、これにて討論を終結します。
これより、発委第6号 コロナ禍による厳しい財政状況に対処し地方税財源の充実を求める意見書の提出についてを採決します。
お諮りします。本発委を採択とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
83:
◯議長(
山田喜弘君) 御着席ください。
起立多数と認めます。よって、本発委は原案のとおり決定しました。
──────────────────────────────────────
閉会の宣告
84:
◯議長(
山田喜弘君) 以上をもちまして、今期
定例会に付議されました案件は全て終了しました。
ここで、市長から
発言を求められておりますので、これを許します。
市長 冨田成輝君。
85: ◯市長(冨田成輝君) 令和3年第5回可児市議会
定例会の閉会に際しまして、一言御挨拶申し上げます。
去る8月23日から本日までの37日間にわたり、本会議並びに各委員会を通じまして長期間にわたり慎重な御審議を賜り、各会計決算認定をはじめ各種の重要案件を御議決いただき厚くお礼申し上げます。今議会を通じて頂戴いたしました貴重な御意見や御提案につきましては、今後の市政運営に反映してまいりたいと存じます。
さて、今議会中の本市をめぐる動きにつきまして、若干御報告申し上げます。
8月27日に全国市長会の都市税制調査委員会に委員長として出席し、令和4年度の税制改正に当たって、全国市長会として国会議員や総務省などに提出するための意見書を取りまとめました。この意見書では、真の分権型社会の確立に向けた地方税体系の構築をはじめ、固定資産税の安定的確保や地方税務手続のデジタル化の推進などについて提言しており、今後その実現に向けて要請活動を行ってまいります。
また、8月31日には岐阜県デジタル・トランスフォーメーション推進協議会に出席し、県を上げてのデジタル・トランスフォーメーションの推進に向けた現状と課題や今後の方針などについて、古田県知事をはじめ県内市町村長や関係団体の代表者などと意見交換を行いました。今後、国や県の動きを踏まえ、(仮称)デジタル化推進実行計画の策定を進めるとともに、費用対効果を精査しながら、デジタル化による業務の効率化を図ることで、限られた人員をより有効に活用し、市民サービスのさらなる向上に努めてまいります。
新型コロナウイルス感染症につきましては、8月27日から今月30日までを期間として、岐阜県に緊急事態宣言が発令されたことを受け、公共施設の休館や各種イベントの中止、また飲食店などの休業や時短営業の要請により、市民並びに事業者の皆さんには大変御不便をおかけしておりますが、御理解と御協力をいただきありがとうございます。おかげをもちまして、今回の第5波は8月末頃をピークに感染者数の減少傾向が続いており、9月30日をもって緊急事態宣言が解除される見込みでございます。
ただ、県内では依然として新規感染者が連日報告されており、まだまだ完全な終息には至っておりません。また、今後秋の行楽シーズンを経て、感染症が流行しやすい冬場を控えており、感染の再拡大にも警戒する必要がございます。市民の皆様には、引き続き感染予防対策の徹底に御理解と御協力を賜りますよう改めてお願い申し上げます。
朝夕はめっきり涼しい季節になりました。皆様にはくれぐれも御自愛いただきますとともに、一層の御健勝を心からお祈り申し上げ、閉会に際しましての御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
86:
◯議長(
山田喜弘君) これをもちまして、令和3年(2021年)第5回可児市議会
定例会を閉会します。長期間にわたりまして誠にお疲れさまでございました。
閉会 午前11時48分
前記のとおり会議の次第を記載し、その相違ないことを証するため、ここに署名する。
令和3年9月28日
可児市議会議長 山 田 喜 弘
署 名 議 員 中 村 悟
署 名 議 員 伊 藤 健 二
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